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一口に焼物といっても多種多様です。ここでは焼物の素材、そしてそれを焼く際の温度(=焼成温度)によって、陶器、せっ器、磁器の三つに分けて説明することにします。日本の焼物のように、素材となる材土の出土地によって分ける方法もありますが、今回はヨーロッパの焼物を中心に話を進めていきたいと思います。
まず粘土を素材とした陶器は、比較的低い温度(800〜1200度)で焼成され、有色・不透明で吸水性があります。このため、さらに釉薬(うわぐすり)を施さなければなりません。ヨーロッパではオランダのデルフト焼、イタリアのマジョルカ焼などがよく知られています。厚手で素朴なあたたか味がありますが、焼成温度が低いため溶化が不十分で、重くもろいという欠点があります。
「せっ器」は「STONE WARE」をそのまま日本語訳して漢字を当てたものです。この焼物は陶器と同じく有色・不透明ながら、吸水性はありません。材土には粘土や、後に触れる磁器の材料のカオリンを使います。焼成温度は磁器ほど高くはありませんが、中には1300度近い温度を必要とする焼物もあります。気孔性が無いため、特別の場合を省いて釉薬は使われません。代表的なものといえば、ウェッジウッドのジャスパーが挙げられます。強度があり、使い込むほどに平滑化していくという特徴があります。
同社の創業者ジョサイア・ウェッジウッドの多年にわたる苦心の作です。1877年の発売と同時に一大旋風を巻き起こし、このためにヨーロッパの陶磁器メーカーは大打撃を受けたと言われています。かの名窯マイセンですら、ネオクラシック調のジャスパーに似せた焼物のビスク焼を大量に製作しなければならなかったほどです。特徴的な双剣マークの窯印(交叉した双剣の柄の間に*の印がある)で知られる、カミーロ・マルコリーニ伯の時代の出来事です。
さて、最後は磁器ですが、この焼物はさらに硬質磁器と軟質磁器に分けられます。これは素材の違いと焼成温度の差によります。磁器に使用される材土カオリンは、カオリンナイト(珪酸とアルミニウム)、石英、雲母、さらに多種の粘土物質を含みます。中国江西省の高嶺山でこの鉱物床が初めて発見されたことから、この地名が次第になまってカオリンと呼ばれるようになったのだそうです。これに長石やシリカなどを混ぜ、1350度以上の高温で焼くことにより、白色で透明感のある焼物が誕生するわけです。これが硬質磁器です。マイセン、ジノリ、コペンハーゲン、アウガルテン、ヘレンド、フッチェンロイターなどが有名です。

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ウェッジウッド
ジャスパーウェア ポートランドブルー |
一方のボーン・チャイナに代表される軟質磁器は、1744年(1748年説もあり)英国のトマス・フライによって発明され、以後同国に多くの名窯を生み出すきっかけを作りました。この焼物の素材には、前述のカオリンなどの他に、多量(20〜60%)の獣骨の粉末を使う点に大きな特徴があります。焼成温度は硬質磁器よりやや低く1250度から1300度以下ですが、あたたか味のある白さと光沢、そして強度的にも硬質磁器に引けをとりません。ウェッジウッド、ウースター、スポード、ミントン、ドルトンなどたくさんの一流メーカーがあります。
以上、焼物を三つに分けて概観してきましたが、参考になりましたでしょうか?次回は焼物に関する基礎的な用語の説明を計画しています。 文責:三沢 厚 |
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